1月17日(日)

 電子書籍『殺人博物館〜シリアル・キラーズ』がようやく完成。一人祝杯をあげる。80年代の連続殺人犯をこれまで疎かにしていたため、その分を新たに書かなければならなかったので、思いのほか時間がかかってしまった。このたびの書き下ろしは以下の5件。
 アーサー・ショークロス
 ダニー・ローリング
 アイヴァン・ミラット
 ドランゲル・ヴァルガス
 ゲイリー・リッジウェイ

 NHKの大河ドラマ『龍馬伝』はなかなか面白い。岩崎弥太郎に物語を語らせているのがよい。本日も思わず感涙してしまった。まったく俺の涙腺は近年頓にバカになっておる。


1月18日(月)

 3日前、猫遊軒猫八氏より「唐沢俊一検証イベント」への出演を依頼された。某イベントスペースから開催を打診されたのだそうだ。私は一晩考えて、このような趣旨の返答をした。

「自分は渦中の人ではないし、実害もそれほどない。唐沢氏に詳しいわけでもない。だから、検証の中心人物の反応を見てからお答えしたい」

 間もなく猫八氏から「何名かの方からは出演に前向きの解答を頂いております」とのメールを頂戴した。ならば安心と「予定が合えば参加させて頂きます」と返答した。

 で、本日先ほどである。猫八氏からのメールが届いた。某イベントスペースから「店名を出されると困る」「イベントの準備や交渉を公開されると困る」ことを理由に中止を云い渡されたというのだ。
 アホか。
 何処で催されるのかは大事なことだし、半ば公開のミクシィで参加者を集っている以上、「公開されると困る」という云い草は通らない。
 結局、誰かの差し金で中止に追いやられたと思わざるを得ない。その誰かは云わずもがなであろう。なにしろ猫八氏はその御仁にも「主賓」として出演を依頼しているのだから。


1月19日(火)

 本日は殺人博物館用に『ロバート・リー・ハガート』と『デヴィッド・シェアリング』の2本を執筆。どこぞの「なまくらタレント・ライター」よりも遥かに優秀である。

『ロバート・リー・ハガート』は1982年の事件だが、昨年7月になって再びハガートの名前が新聞の紙面を飾った。DNA鑑定が事件に新たなページを付け加えたのだ。コールドケースがまた一つ解決したのである。

『デヴィッド・シェアリング』も同じく1982年の事件。おじいさんおばあさんおとうさんおかあさん、そして2人の娘の6人が楽しいキャンプ場で虐殺された事件である。現在、地元ではこの下手人が仮釈放されるのではないかとヒヤヒヤしているようだ。

 ところで、唐沢俊一検証イベントであるが、猫遊軒猫八氏は「でも、やるんだよ!」とばかりに実現に向けて邁進するようだ。よかったよかった。昨日はさぞ落ち込んでいただろうから。私に出来ることといえば、テーマ曲でも作ることだろうか。


1月20日(水)

 本日は『殺人博物館』用に『レスリー・ローウェンフィールド』と『カレル・チャヴァ』の2本を執筆。

『レスリー・ローウェンフィールド』は「元恋人の一家みなごろしの巻」。4歳の娘まで巻き添えにしたのだから、かなり凶悪だ。判決は当然ながら死刑。そして、1988年4月13日に電気椅子で処刑された。

『カレル・チャヴァ』は理解不能の物語。学校襲撃事件はたしかドイツが元祖だが、あれの延長戦上の事件である。小学校で発砲して5人が死亡、14人が負傷。犯人はその場で自殺したため、動機の一切は判っていない。

 ところで、カゼをひいて、ただいまウンウンと唸っているので、明日以降の更新は保障出来ない。


1月31日(日)

 本日は『殺人博物館』用に『アーサー・ハッチンソン』と『アブデルクリム・ベラクヘブ』を執筆。

『アーサー・ハッチンソン』は他人様のウェディング・パーティーに侵入し、一家を皆殺しにした挙げ句、末の娘を犯して犯して犯しまくった男の物語。すごいねえ。こんなのがまだまだゴロゴロいるのだから世界は広い。

『アブデルクリム・ベラクヘブ』はバーでフラれたことに腹を立て、女ともども客6人を射殺したモロッコ人。最後にイスラム教徒らしいオチがあるのだが、この続きは本編で。


2月1日(月)

 本日は『殺人博物館』用に『リッキー・カッソ』を執筆。



 ヘヴィーメタルをこよなく愛する悪魔主義者。おまけにジャンキーの路上生活者。そんなダメ人間が死の2日前に残した最高の笑顔がこれだ。バカ丸出しの素敵な笑顔ではないか。


2月1日(火)

 本日は『殺人博物館』用に『クリストファー・トーマス』を執筆。ブルックリンのアパートにて成人女性2人、子供8人が射殺された事件である。担当刑事曰く、
「あんなに酷い現場は後にも先にも初めてだった」
 遺体は居間のカウチでテレビを観ている状態で発見されたという。凶器は38口径と22口径の2つ。
 1人の犯行ではないのではないか?
 かかる疑問にぶつかったために、なんとも歯切れの悪い文章になった。私の推理では犯人は2人。うちの1人がクリストファー・トーマスであることは間違いないのだろうが。


2月3日(水)

 ジェローム・サリンジャーが死亡した。代表作は云うまでもなく『ライ麦畑でつかまえて』。ジョン・レノンの暗殺犯マーク・チャップマンが愛読していたために「殺人者の愛読書」とのレッテルを貼られてしまった不運な小説だ。世界各地で発売禁止となった大量殺人ゲーム『ポスタル2』の主人公が図書館に返しに行くのも『ライ麦畑でつかまえて』である(但し『Catch Her in the Rye』と微妙に変えている)

 そんなわけで、ひさしぶりに『ポスタル2』を遊んでみた。しかも「一人も殺さずにクリア出来るか?」に挑んでみた。このゲームを知っている御仁なれば「出来る筈がない」と思うことだろう。ところが、キャットニップ(服用すると敵の動作が1分間だけノロくなる)やピラニアのアイテムを使えば可能なのだ。結果、クリア後にこのような評価が下された。

「Thank you for playing, JESUS」

 一人も殺さずにクリアした私はジーザスだったのだ。


2月4日(木)

 ついでなので「ポスタル2」の「一人も殺さない攻略法」を記しておこう。

《ポスタル2攻略法〜月曜日1》

 ここはアリゾナ州の架空の町、パラダイス。主人公のポスタル・デュードは高飛車な妻と共にトレーラーハウスに住んでいる。スタート時の所持金は20ドルのみ。武器は何も持っていない。

 まず、トレーラーハウス脇の納屋でヘルスパイプとショベルを拾う。
 ヘルスパイプは吸引式の麻薬で、これを吸うと体力が125に回復する(スタート時の体力は100)。但し、しばらくすると麻薬が切れて、94にまで落ちてしまう。
 ショベルは武器として使用できる。人間の首を斬り落せるのだが、このたびは「一人も殺さない攻略法」なので使わない。
 トレーラーハウスの上にはファストフードがあるので(食べると体力が10アップ)、これも拾っておく。

 その後、隣りの家に侵入し、スタンガンとガソリン、防弾チョッキを拾う。
 スタンガンはもちろん武器だが、相手を殺すことはできない。しばらくの間、抵抗不能にさせるだけである。ビリビリビリとやり続けると、相手は倒れて小便を漏らす。
 主人公のデュードは自らの小便を相手にかけることもできる。かけられた相手は3人に1人くらいはゲロを吐く。怒って銃撃してくる者もいるので注意。また、チンポコを出したまま町を歩くと、警官に見咎められてしょっぴかれてしまう。
 ガソリンももちろん武器になる。相手にかけて火を放つ。但し、自らにも引火する可能性が大きい。引火した場合は上を向いて小便を放つことで消火しなければならない。

 次いで、向かいの家に侵入して10ドル盗む。その際に家人に見咎められると、警察に通報されて指名手配されてしまうので注意。

 その後、このステージの中心部に行き、ディスコ(中ではボンデージ姿の男や髭面のオカマが警官と共に踊っている)の裏の塀に上り、建物の雨樋にジャンプ。ここでキャットニップを拾う。これまた麻薬で、服用すると1分間だけ周りの者の動作がノロくなる。トンズラする際に便利である。
 そのまま雨樋を伝わって、隣りのランドリーの屋根にジャンプ。ここで自動拳銃を拾う。その後、電線を伝わってディスコの屋根でショットガンを拾う。更に電線を伝わって向かいのゲームセンターの屋根で手榴弾を拾う。電線を更に伝わるとヘルスパイプがあるので、これまた拾っておく。

 ゲームセンターの隣りには「コック・アジアン」という胡散臭いチャイニーズ・レストランがある。トイレの洗面台にうんこがあったりして、不衛生極まりないのだが、ここの2階の事務所に侵入して10ドル盗む。現在所持金40ドル。また、戸棚にはマシンガンがあるので、これまたもらっておく。

「コック・アジアン」脇のトンネルをくぐると、次のステージ「メイン・ストリート」がロードされる。ここで最初のミッション「ミルクを買う」を遂行する。
 ハビブという名のアラブ人が経営している食料品店がある。看板には「インターナショナル・マーケット」とあるが「インターナショナル」の部分が消されて、ぞんざいな字で「オール・アメリカン」と書かれている。9・11のテロ以降、何か問題があったのだろうか。でも、中に入ると、置いてある商品はみな中近東からの輸入品である。店の奥には得体の知れない肉があり、これを見た客は必ずゲロを吐くので、しばらく観察するのも一興である。
 店長のハビブは片言で、おまけに口が悪い。例えば、こんな感じ。
「ハリーアップ・アンド・バイ・サムシング」
 で、ミルクの代金5ドルを支払うと、
「サンキュー・アンド・プリーズ・ゲット・アウト!」
 奥のスタッフ・ルームに入ると、タリバンが「アラララララララ!」などと雄叫びを上げながら攻撃して来て面白いのだが、今回は「一人も殺さない攻略法」なので入らない。
 なお、店の外にATMがあり、これを蹴飛ばすと30ドル出て来るので蹴っておく。現在所持金65ドル。

 その後、近くの廃屋の屋根に上り、電線を伝わって、まずトンネルの上でヘルスパイプ、ハビブの店の上を横切って裏庭に降り立ち、そこでファストフード、ドーナツ(1ケで体力3回復)、キャットニップ、猫6匹を拾う。猫のケツの穴にショットガンやマシンガンの銃口を突っ込むとサイレンサーになる。発砲の際に「ニャン!」と鳴くので銃声を誤摩化せるのである(サイレンサーをしていないと、銃声を聞きつけた警官に銃撃されてしまう。警官は1ステージに少なくとも6人はいる。やたらと警官の多い町である)

 ハビブの店の向かいには教科書倉庫があり(これはおそらく「JFKは教科書倉庫からオズワルドに狙撃された」との公式見解に基づくジョーク)、この左脇にいる神父には近づかない方がいい。銃を突きつけられてカツアゲされるからだ。だから、遠目で眺めて、誰かがカツアゲされるのを待つ。すると警官が現れて撃ち合いになる。神父が死ぬと、なんと100ドルも落す。これをすかさず拾う(すばやく拾わないと、警官にネコババされてしまう)。現在所持金165ドル。また、この騒ぎに巻き込まれて、デブの黒人も殺されて10ドル落した。ラッキー。現在所持金175ドル。

 というわけで、今日はここまで。
 次のミッションは「勤務先で小切手を受け取る」と「銀行で小切手を換金する」である。


2月5日(金)

《ポスタル2攻略法〜月曜日2》

 次のミッションは「勤務先で小切手を受け取る」。
 ハビブの店の裏にあるトンネルをくぐると「オフィス・コンプレックス」がロードされる。一番奥にデュードの勤務先「ランニング・ウィズ・シザーズ」がある。「ポスタル2」を開発したゲーム会社である。 入口の前では同社に抗議する団体がデモを行っている。

「Games are bad ! Make you mad !」

 会議室に入り、ガラス窓を蹴って破って中庭に出ると、テーブルの上に90ドルがあるので貰っておく。現在所持金265ドル。
 社長室に入ると、ヴィンス(実際の社長。声優も本人)に解雇を云い渡される。デュードは抗議する。
「でも、昨日から勤務したばかりじゃないですか!」
 すると社長は「わっはっは」と高笑い。
「机の上に小切手があるから受け取っておきたまえ」
 已むなくこれを受け取ると、先ほどの抗議団体が攻め込んで来る。本来ならば応戦しなければならないのだが、このたびは「一人も殺してはならない」のだから、とりあえず逃げる。逃げて逃げて逃げまくる。すると「ランニング・ウィズ・シザーズ」の社員が連中を始末してくれる。それでも被弾は免れないので、そばの渓谷で救急箱と防弾チョッキを拾っておこう。

 次のミッションは「銀行で小切手を換金する」。
 一旦「メイン・ストリート」に戻り、ATMを蹴って30ドル、神父が死ぬのを待って100ドル拾う。現在所持金395ドル。その後、銀行がある「グリーンベルト」に通じるトンネル前では先ほどの抗議団体が待ち構えているので、見つからないようにして線路側から、とりあえず「ゲットー」のステージに向かう。

「ゲットー」には、廃墟のような黒人ゲットーと警察署、ホテルと食料品店がある。
 まず、黒人ゲットーには高性能の防弾チョッキとファストフード、ヘルスパイプがあちこちに落ちているので拾っておく。
 また、食料品店内にはATMがあるので、これまた蹴って20ドル盗む。ATMは店のおばちゃんの死角にあるので、蹴っても銃撃されることはない。現在所持金415ドル。
 ちなみに、この食料品店では山ほどのドーナツが売られているが、中の1つはうんこなので注意すべし。

 ところで、ドーナツに関して面白情報を一つ。
 ドーナツを警官の前に置くと、これを見つけた警官(男女問わず)は卑しくも拾って食べる。事前にドーナツに小便を染み込ませておくと、警官は旨そうに食べた後に嘔吐する。食料品店にあるうんこを与えても、ドーナツと勘違いして食べては嘔吐する。ドーナツに余裕がある時は、食べさせては吐かせ、食べさせては吐かせで楽しむのもよい。

 ホテルの脇にあるトンネルをくぐると「グリーンベルト」がロードされる。ここには精神病院と町の事務局、新聞社、電話局、銀行がある。
 まず、銀行前のATMを蹴って30ドル盗み(所持金445ドル)、窓口がだいぶ混んでいるので、精神病院にまわり、庭でピクニックしているカップルからピザ(食べると体力5アップ)3ケを盗む。すると、女の患者が脱走し、2人の医者に追い掛けられて、死ぬまでド突かれる。
 次いで事務局の2階でキャットニップ、新聞社の戸棚の上でヘルスパイプを拾い、銀行に戻って来たら、混み合いが余計に酷いことになっていた。こりゃイカンと「ゲットー」に引き返し、再び「グリーンベルト」をロードして、銀行前のATMを蹴って30ドルを盗む(所持金475ドル)。ATMはステージをリロードするたびにリセットされるので、金が足りない時はリロードしては蹴る、リロードしては蹴るを繰り返せばよい。

 並ぶ列の最後尾は警官で、こいつがやたらとチンポジを直すのが面白い。たまに割り込みする奴もいるが、蹴ると撃ち合いになってしまうので蹴らない。ここはグッと我慢する。で、ようやく自分の番になり小切手を換金、150ドルを受け取る。現在所持金625ドル。

 と、そこに銀行強盗が現れて、警官隊との銃撃戦が始まるわけだが、本来ならばドサクサに紛れて金庫に向かい、金をしこたま盗むところ。だが、このたびは「一人も殺してはならない」約束なので、中2階に逃げて高見の見物と洒落込む。銀行強盗の1人が警官の頭をショットガンで破壊して、吐き気をもよおして嘔吐していた。うはははは。

 というわけで、月曜日のミッションはここまで。


2月11日(木)

 本日は『殺人博物館』用に『ヒルマ・マリー・ウィッティ』を執筆。極めて面白い事件なのだが、ネット上での情報が少ない。こんなに面白いのに、どうして誰も喰いつかないのかなあ。不思議だ。一言で云えば「未成年の我が子を殺しの道具として利用した鬼嫁」。こんな鬼嫁、『2時のワイドショー』でも見たことないぞ。

『2時のワイドショー』と云えば、その後々番組の『ミヤネ屋』が面白い。特に丸岡さんとのからみが。あんなに噛み合ない中継、見たことないぞ。
 司会の宮根誠司は「ポストみのもんた」と呼ばれているそうだ。彼が天下を取る日は近いと思う。


2月13日(土)

 本日は猫遊軒猫八氏と、唐沢俊一検証ブログのkensyouhan氏と「唐沢俊一検証イベント」について打ち合わせ。といっても具体的なものではなく、あれこれと四方山ばなしに終始する。今回は初顔合わせといったところか。
 kensyouhan氏は噂通りのイケメンで、言葉少なながらも的確にピンポイントで攻め込んでくる感じ。イメージ通りの方だった。反面、俺はどーでもいいことをベラベラベラベラとしゃべり、まるで唐沢俊一みたいだ(笑)。
 猫八氏は誠実そのものの方で、しかもこれまた相当に博学。俺みたいなイイ加減な野郎とは大違いである。
 猫八さん、今夜はごちそうさまでした。


2月15日(月)

《ポスタル2攻略法〜火曜日》

 最初のミッションは「署名を集める」。僅か1日の勤務で解雇された主人公は、不当解雇の陳情書を提出するために7人の署名を集めなければならないのだ。たいていは断られるが、再び頼むと2人に1人くらいは署名してくれる。但し、三たび頼んではいけない。その際、主人公は、
「お前の家族を皆殺しにしたろか!」
 とかなんとか悪態をつくので「ギャーッ」と逃げ出されて、時には警察に通報されてしまう。

 表通りに出るとマーチングバンドが行進している。見物人は拍手喝采の大喜びだ。その後をつけて行くと、中華料理店の前あたりでタリバンが現れて自爆テロを決行する。何故にマーチングバンドが狙われたのかは不明だが、とにかく辺りは火の海になるので巻き込まれないように注意する。
 惨劇を楽しんだ後、自宅近くに戻り、向かいの家で10ドルとキャットニップ、中華料理店の2階で20ドル盗む。現在所持金655ドル。また、月曜日と同様に電線を伝わり、ヘルスパイプやピラニアのアイテムを拾う。
 ピラニアのアイテムを用いると、空中に浮遊するピラニアを操作して敵を始末することが出来る。これは主人公が手を下したことにはならないので、ゆえに「一人も殺さない攻略法」が可能になるというわけ。

 次のミッションは「図書館に本を返却」。借りている本は『ライ麦畑でつかまえて』。ジョン・レノンの暗殺犯マーク・チャップマンの愛読書である(但し『Catch Her in the Rye』と微妙に変えている。作者はサリンジャーではなくデリンジャー)。このように『ポスタル2』には随所にマニアックなネタがちりばめられている。それを見つけるのも楽しみの一つである。
 図書館があるのは「メイン・ストリート」のステージ。月曜日と同様にATMを蹴ったり、猫を拾ったりしてまわる。現在所持金685ドル。
 図書館前ではまたしても変な団体がデモを行っている。

「Save a tree ! Burn a book !」

 森林保護団体のようだ。だけど「木を守れ」は判るけど「本を燃やせ」というのは判らない。ここでトリフォーの映画『華氏451』やXTCの曲『ブックス・アー・バーニング』を思い出す。
 図書館内の隔離された場所には「ポルノ」のコーナーがある。その隣りには「爆弾ガイド&テロリスト指南書」のコーナーがあり、タリバンが何やらを探している。
 返却室に入ると、8人ほどが並んでいる。だけど、このたびは並んで待つ必要はない。左側に返却箱があるので、ここの本を放り込めばOK。ヘタに並ぶと延滞金を取られてしまう。
 で、返却した途端に先ほどの団体が図書館に火を放ち、主人公に銃撃してくる。さて、ここからが本題。この災難をどうやって「一人も殺さずに」乗り切るのか?
 出口への身近な通路は火の海で、ここを通ると100パーセント焼死する。だから迂回して敵を殺しながら脱出しなければならないのだが、そうしなくてよい方法が一つだけある。自らにガソリンをかけて火を放つのだ。そうすれば火の海に飛び込んでも焼死しなくて済む。もちろん体力は半減するがやむを得ない。火の海を通り過ぎたら、すかさず小便で消火する。出口付近にも敵はいるので、火を放つ前にキャットニップを服用しておくとよい。火の海を過ぎたところにはキャットニップが落ちているので拾っておく。

 ヘルスパイプを吸って体力を回復させてから「メイン・ストリート」の中心部に戻る、ハビブの店前のATMを蹴って30ドル、神父が死ぬのを待って100ドルゲット。現在所持金915ドル。

 次のミッションに向かう前に、いろいろと拾っておく。
 まず「ゲットー」のステージでヘルスパイプやファストフードを拾う。食料品店のATMを蹴って20ドル盗む。現在所持金935ドル。
 次いで「グリーンベルト」のステージに行き、銀行のATMを蹴って30ドル盗む。新聞社にはキャットニップと60ドルがある。もちろんガメる。現在所持金1125ドル。事務局にもキャットニップとハサミがあるので貰っておく。 ハサミも武器として使用できるが、このたびは使わない。

 その後、「メイン・ストリート」に戻り、ハビブの店前のATMを蹴って30ドル、神父が死ぬのを待って100ドル貰う。その際、黒人と白人の2人が騒動に巻き込まれて2人死亡。共に10ドルずつ落したので貰っておく。現在所持金1175ドル。

 次のミッションは「ゲイリー・コールマンのサイン本を貰う」。
 ゲイリー・コールマンは我々には余り馴染みがないが、あちらでは有名な小人の黒人俳優だ。『アーノルド坊やは人気者』というテレビドラマが代表作。1998年にサインを求めてきた女性と口論になり、暴行した容疑で逮捕されている。故の『ポスタル2』へのゲスト出演である。声優も本人が担当している。
 もう一つ、彼が抜擢された理由は『ポスタル』シリーズには子供が出て来ないこと。やはり子供を殺すことはあちらでもタブーなのだな。だけど小人ならば殺してもOKだろうという安直な発想だ。ゲイリーを殺せばミッションは完了するが、このたびは「一人も殺さない」約束なので、殺してはいけない。

 ゲイリーに会う前に「オフィス・コンプレックス」に向かい、渓谷で火炎瓶と80ドルを拾う。現在所持金1255ドル。かなり稼いだぞ。
 その後、「イースト・モール」に入り、ゲイリーのサイン本を貰うために列に並ぶ。最後尾の奴が背中にイタズラで「キック・ミー」と書かれた紙を貼られているが、蹴ってはいけない。ゲイリーのマネージャーたちを敵に回して銃撃されてしまう。「キック・ミー」を眺めながら「蹴りたい、蹴りたい」と思いつつ、順番を待つ。割り込みされることもあるが、そこは必死にこらえる。なにしろ、このたびは「一人も殺してはいけない」のだから。
 ようやく自分の番になり、無事にサイン本を貰うと、警官隊がなだれ込んで来る。ゲイリーはまたしても何か起したようなのだ。本来ならばゲイリーに味方して、警官隊を銃撃したいところなのだが、安全地帯に移動して高見の見物と洒落込む。間もなくゲイリーは警官に殺されて、手榴弾とサイン本の残すので拾っておく。また、この騒動に巻き込まれた奴が殺されて15ドル落した。現在所持金1270ドル。
 このショッピング・モールには様々な店があるが、「Pornstorm」という洋服店の試着室には50ドルあるので貰っておく。現在所持金1320ドル。

 次のミッションは「教会で懺悔する」。「イースト・モール」を出て「トレインヤード」を経て「チャーチ&セメタリー」に行く。教会の懺悔室の前は例の如く10人くらいが並んでいる。これを待つこと数分、本当に待つことの多いゲームだ。待つことが嫌ならば「殺してしまえ」というゲームなのだが、このたびは殺さない。殺してはいけないのだ。
 ようやく自分の番になり、
「俺はとっても罪深い男なのですよ。ベリーベリー・シン」
 などと懺悔するポスタル・デュード。すると神父は、
「あんた、募金箱に寄付しました?」
「もちろん」
「ならば、あんたの罪は許されます」
 寄付してないんだけどね。で、許された途端に教会にタリバンが攻め込んで来てしっちゃかめっちゃかになるわけだが、あいつらと敵対すると無傷では帰れない。キャットニップを服用して走り抜ける。逃げて逃げて逃げまくる。それでミッションは終了。

 火曜日はここまで。


2月16日(火)

 今日みたいなドンヨリとした日は気分が重くて筆が進まないものだ。久しぶりに日本の事件『吹上佐太郎』を書こうと思ったのだが、これはやめて、小品の『コリン・ギル』を仕上げることにした。一家皆殺しの事件で、ちゃちゃっと1時間ほどで書き上げる。だけど、重い気分は変わらず。最後の一文は、

「ほおら。やっぱり重い気分になった。だから一家皆殺しは嫌なんだってば」


2月17日(水)

 本日もまたドンヨリしていて筆が進まず。小品の『ギルバート・アーチベク』を30分ほどで仕上げてから『マーヴィン・パンコースト』に取りかかる。

『マーヴィン・パンコースト』という下手人の名前はおそらくほとんどの方の記憶にないだろう。被害者の「ヴィッキー・モーガン」の方が圧倒的に有名だからだ。絶世の美女で、ロナルド・レーガンのタニマチをしていた実業家の二号だった女だ。そんな彼女が殺された背景には陰謀論が主張されている。マリリン・モンロー謀殺説と同じような論拠なのだが、はてさて…。




(註:本件は陰謀論が囁かれているため『ヴィッキー・モーガン事件』と改題した)


2月18日(木)

 本日は『パトリシア・ジョンソン』について下調べをする。他人様の家に火を放ち、夫を含む4人を殺害した事件だが、人物関係や動機が今ひとつ判らない。ネット上にも記事がほとんど見当たらない。これではロクなものが書けないと判断してボツにする。小一時間ほどムダになった。ちくしょう。

 次いで、予てから温めていた『アルバート・グージー』に取りかかるが、資料を読み進めるうちに、この奇妙な三角関係の物語は犯人側からの一方的な申告であることに気づく。つまり嘘八百である可能性が高いわけだ。事実、グージーには一旦は死刑が宣告されたものの、妄想型統合失調症と診断されて精神病院に送られている。仮釈放後も少女を襲ったかどで逮捕されている。
 こりゃ大幅に語り口を変える必要がありそうだゾ。
 とりあえず、この事件をモチーフにした映画『Intimate Relations』を観る。グージーの云い分をそのまま脚色したブラックコメディだった。主演はモンティパイソンのテリー・ジョーンズ監督『Hなえっちな変態SMクラブ』(しかし、なんちゅう邦題だ)にも出ていたジュリー・ウォルターズ。英国アカデミー賞主演女優賞を受賞したこともある名優である

 途中まで書いて、長編ならずとも中編になることを知る。2回に分けて発表しよう。『ブラタモリ』がもうすぐ始まるので、キリのいいところで切り上げて今日はここまで。

(註:実際には1回で発表)


2月19日(金)

 本日は高橋大輔祭りで執筆どころではなく『アルバート・グージー』の続きは明日に持ち越す。その分『ダイアン・ダウンズ』と『フレッド・ダグラス』の下調べ。

『ダイアン・ダウンズ』の奇妙な物語は1989年に『Small Sacrifices』のタイトルでTVM化されている。主演はなんとファラ・フォーセットとライアン・オニール。

『フレッド・ダグラス』はマイク・ジェイムス著『愛欲と殺人(Love You To Death)』に「殺人映画(Snuff Movie )」のタイトルで紹介されている事件。
「Frederick Berre Douglas」の本名では検索に引っかからず、「Fred Douglas」でようやく当時の新聞記事が見つかった。映画『スナッフ』公開直後の事件であり、故に彼が「スナッフ・ムービー」を撮っていたのではないかと疑われたらしい。面白そうな事件なのだが、如何せん資料が少ない。彼が「スナッフ・ムービー」を撮っていた証拠もない。近年では殺人に関しても「証拠不十分」として終身刑に減刑されたようだ。はてさて、ものになるだろうか?


2月25日(木)

 オリンピック中は試合が気になって執筆が捗らない。だけど、本日は集中できたぞ。『殺人博物館』用に『フレッド・ダグラス』と『ロンダ・ベル・マーティン』『カンポ・デルガド』の3本を執筆。

『フレッド・ダグラス』は先日紹介した『スナッフ』絡みの事件。当時の新聞記事を基調に手堅くまとめる。面白くしようとすればいくらでも面白くなる事件なのだが、誰かさんみたいにガセを書くつもりはないんでね。

『ロンダ・ベル・マーティン』はいわゆる「強欲おばさん、家族皆殺しの巻」。ありがちな事件なのでこれまで放っておいた。これはちゃちゃっと仕上げる。

『カンポ・デルガド』はかなりユニークな事件。合計30人も殺しております。イタリアン・レストランで「最後の晩餐」を楽しんだ後に…。

 明日は女子フィギュアがあるので、おそらく何も書けまい。


2月26日(金)

 とにかくキム・ヨナには圧倒されたわけだが、それはともかく、本日は『エクトール・エスクデロ』を執筆。プエルトリコの「ホテル・ニュージャパン事件」。犠牲者の数はトリプルスコアの97人というから凄まじい。現場のレポートも凄惨そのもので、ただただ圧倒されるばかりだ。

 意外と早く片付いたので、もう1本『ジョン・チャン』を執筆。恋人にフラれた男の復讐の物語なのだが、洋書を参考資料にしているために名前の表記に苦労する。加害者も被害者もおそらくベトナム移民で(その旨は資料には書かれていない)「Tran」やら「Lieu」やら「Huynh」やら「Phoung」やら「これ、何て読むの?」のオンパレード。グーグル検索しまくりで、執筆よりもむしろこちらの方に時間が取られた。


2月27日(土)

 本日は『フランク・ヴィトコヴィック』を執筆。昼間に洋書の資料と米ウィキペディアを読み、大量殺人ゲーム『ポスタル』を挟み、大量殺人者になったつもりで一気呵成に書き上げる。こういう事件ばかり書いていると頭がオカシクなるんだよなあ。動機がさっぱり判らないし。
 殺せ。殺せ。殺せ。
 そればかりの事件なのだ。しかもオチは…。
 このオチはかなり凄い。まるで映画みたいだ。

 参考資料に「It had been the second mass killing in the city of Melbourne within a few months.」とあり、はて、どんな事件だったっけと調べたら『ジュリアン・ナイト』の事件だった。
 だけど、この参考資料には『ジュリアン・ナイト』は掲載されていない。不親切だなあ。


3月8日(月)

 本日は『ジュディアス・ブエノアノ』を執筆。2人の夫と長男を殺害した毒婦である。そして、3人目の夫を殺し損ねたために逮捕された。1998年に処刑。
 姓の「ブエノアノ(Buenoano)」とはスペイン語で「good year」の意味。最初の夫の姓が「Goodyear」だったので正式に改名したのだそうな。ヒスパニック系だから出来たのだろうな。
 ちなみに旧姓は「ウェルティー(Welty)」。旧姓に戻さなかったのは虐待されて育ったため。何かと複雑な事件なので、簡潔にまとめ上げるのに苦労した。

 さて、ここで云い訳を一つ。
『殺人博物館』はそもそも「講釈」として始めたものである。
「講釈師、見てきたような嘘を云い」
 という川柳の通り、当初は正確さは余り要求されていなかったのだ。ところが、いざ始めてみると「あそこが違う」「ここが違う」とのメールをいくつも頂戴した。故にあまりイイ加減なことを書けなくなってしまったのである。事実を踏まえた上で、如何に判りやすく且つ面白く事件を紹介できるかという方針にシフトしたわけだが、なかなか成功しているとは云い難い。物を書くというのは難しいものなのであるなあ。


3月13日(土)

 本日は「唐沢俊一検証プレイベント」に参加。検証サイドの大物の方々とお会いしたわけだが、なるほど、皆さん博学でいらっしゃる。こりゃ唐沢俊一など太刀打ちできないわ。役者が違うもん。
 詳しい内容は猫八氏のブログで発表されるようなので、そちらを御覧あれ。

唐沢俊一検証イベント準備ブログ

 なお、猫八氏は夏にでも唐沢氏の故郷、札幌にまで出向き、検証ビデオを作成するのだそうな(笑)。いやはや、そこまでやるか? と呆れ返りつつ、帰路の車内でkensyouhan氏から頂いた『唐沢俊一検証本』を拝見。唐沢俊一という面白物件を再確認する。なにしろ、俺の『殺人博物館』をパクって書いたコラムで「ロバート・ケネディ大統領」だもん。

唐沢俊一検証blog

 猫八氏が盛り上がる気持ちがよく判る。氏が札幌に行かれた際にはサンドラ様、宜しくお願い致します。


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