ロバート・バーデラ
バーデラが撮影した被害者の写真
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1988年4月1日、カンザス・シティ。警邏中の警官は仰天した。犬の首輪をつけた男が素っ裸で街中をウロウロしていたのだ。男はクリストファー・ブライスンと名乗り、ロバート・バーデラという男の家に誘われるままに足を踏み入れてからの地獄の日々を語り始めた。不意を突かれて縛られて、猿轡を噛まされて、性的関係を強要された。ブライスンが激しく抵抗すると、
「他の奴らみたいになりたいのか? バラバラになってゴミ箱行きだぞ」
バーデラによる拷問は板で叩く、針を突き刺す、電気を流す、漂白剤をぶっかける、眼球に指を突っ込む等、それは凄まじいものだった。4日にも渡る拷問の末に衰弱し切ったブライスンは、しかし、バーデラの留守の隙を見て、こうして命からがら逃げ出して来たのである。
ロバート・バーデラはヒッピー崩れのイカれた野郎だった。「ボブのバザール・ビザール(Bob's Bazaar Bizarre)」という店を経営し、髑髏のレプリカやらボンデージ用品やらのビザールなものを売っていた。
うん、こういう店もたまには必要だ。だけど、そこの店主とはあまり知り合いになりたくはない。我が国にもたまにあるけどね、知り合いにならない方がよいと思う。
バーデラの自宅を捜索した警察が見つけたものは、犠牲者の写真の束と日記帳だった。写真は、云うまでもなく、左のような生々しい拷問写真である。日記帳には、犠牲者たちの様子が詳細に記載され、彼らをおとなしくさせるために使った動物用鎮静剤の投与回数が記録されていた。庭からは人間の頭蓋骨がいくつも発見された。それはバーデラの店で売られているものとは異なり、レプリカではなく本物の頭蓋骨だった。
取調べを受けたバーデラは、1984年6月から87年8月にかけて、6人の男性を監禁、拷問、強姦した挙句、バラバラにしてゴミと一緒に捨てたことを自供した。
1988年12月20日、バーデラは6件の殺人すべてで有罪となり、終身刑を宣告された。犠牲者の家族のために信託基金を設けたことで話題になったが、1992年10月8日、心臓発作で死亡している。
なお、本件は2004年に『Bazaar Bizarre』のタイトルで映画化された。作家ジェイムス・エルロイをホストに迎えたドキュメンタリーであるらしい。
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