ジェリー・スプラゲンス
Jerry Spraggins (アメリカ)


 

 今回は小ネタを一席。

 ニュージャージー州モントクレアのクレーンタウン・ガーデン・アパートメント31号室は呪われていた。なにしろ僅か2年足らずの間に、3人の住人が立て続けに死亡したのだ。
 まず1981年11月某日、83歳のリリアン・ハリスが強盗に襲われ、心臓発作を起こして死亡した。
 次いで1983年4月18日、51歳のジョアン・レイトが強盗に襲われ、やはり心臓発作で死亡した。
 そして、同年9月2日、68歳のサラ・マクヘールが強盗に殺害された。死因は枕による窒息死だった。

 どうして31号室ばかりが狙われるのか? 何か強盗を引き寄せる邪悪な力が働いているのではなかろうか? 近隣で呪いが噂されるのも宜なるかな。ところが、1985年4月になって警察は、1人の男が3人の死すべてに関与しているとの見解を発表した。その男とは、別件で逮捕されていたジェリー・スプラゲンス(30)だった。
 結局、スプラゲンスはサラ・マクヘール殺害の容疑でのみ裁かれて有罪となり、30年の刑を下されたわけだが、彼が逮捕されて以降、31号室の呪いは解けたという。
 しかし、それにしても同じアパートの同じ部屋に3度も押し込み、そのたびに住人が死ぬというのはギネス並の記録である。こんなへんてこな話、他に聞いたことがない。

(2009年12月10日/岸田裁月) 


参考資料

http://www.crimezzz.net/serialkillers/S/SPRAGGINS_jerry_jerome.php
http://www.users.on.net/~bundy23/wwom/spraggins.htm
http://www.nytimes.com/1985/07/05/nyregion/the-region-mechanic-indicted-in-three-murders.html


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