ノーマン・グリーン
Norman Green (イギリス)



 1955年7月27日、リヴァプールのウォルトン刑務所で絞首刑に処されたノーマン・グリーン(25)は、ショタコン(正太郎コンプレックス)の連続殺人犯だった。マンチェスター近郊の街、ウィガンを拠点に3人の少年を襲い、うちの2人を死に至らしめたのだ。

 最初に襲われたのは7歳のウィリアム・ミッチェルだった。運河のそばで遊んでいたところをナイフで脅されて、胸を刺された。幸いにも彼を一命を取り留め、「犯人はほとんど白髪に近いブロンドの青年だった」と証言した。

 1954年8月27日には11歳のウィリアム・ハーマーが襲われた。このたびは残念ながら助からなかった。なにしろ胸を11ケ所も刺されていたのである。但し、目撃者がいなかったために、ミッチェルの件とは無関係と思われていた。

 1955年4月11日には10歳のノーマン・イエーツが殺害された。遺体の状況はハーマーの件とほぼ同じである。そして、このたびは目撃者がいた。現場から走り去る犯人は「ほとんど白髪に近いブロンドの青年」だった。

 かくして3つの事件はリンクされ、「スノウボール」の綽名で知られるノーマン・グリーンが容疑者として逮捕された。彼が髪の色を染めていたらスピード逮捕には至らなかっただろう。

 法廷において、グリーンは精神異常であることを理由に無罪を主張したが、これは通らずに有罪となり、死刑が宣告された。異常者には違いないが、責任能力は認められたのである。

(2012年10月13日/岸田裁月) 


参考資料

http://www.murder-uk.com/
http://www.capitalpunishmentuk.org/walton.html


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