ミッチェル・ジョンソン
アンドリュー・ゴールデン

Mitchell Johnson
Andrew Golden (アメリカ)



ミッチェル・ジョンソン(左)
アンドリュー・ゴールデン(右)

 1998年3月24日、アーカンソー州ジョーンズボロでの出来事である。

 その日の朝、迷彩服に身を包んだミッチェル・ジョンソン(13)とアンドリュー・ゴールデン(11)の両名は、ジョンソンの母親が所有するダッジ・キャラバンに3挺のライフルと4挺の拳銃、キャンピング用具と食料を積み込み、ウエストサイド中学校へと向かった。彼らはそこの生徒だった。
 ちなみに、銃器や銃弾は全てゴールデンの祖父の家から無断で拝借したものだった。

 13歳と11歳の少年が車を運転して中学校に向かったことに違和感を抱かれる方も多いかと思う。我が国では到底考えられない。だが、アメリカではあり得ることなのだ。
 私は中学2年の時にカリフォルニア州サクラメント近郊の田舎町にホームステイしたことがあるのだが、その際に同年代の無免許運転を何度も目撃している。一度なんか乗っていたからね、後部座席に。15歳のおねえちゃんが運転する車でバーガー・キングに行ったのだが、
「あんた、無免許だよね?」
 とツッコんだら、
「誰にも云わないでね!」
 と釘を刺された。車がなければ何処にも行けないような田舎町では、無免許のティーンエイジャーでも普通に運転していたりするのだ。

 私のホームステイ先では銃は見なかったが、ジョンソンとゴールデンにとっては銃は日常だったようだ。彼らは射撃クラブで知り合ったのだ。ゴールデンが祖父から拳銃をプレゼントされたのは、僅か6歳の時だったという。銃社会アメリカならではのエピソードである。

 とにかく、両名はウエストサイド中学校に到着した。ジョンソンは林の中からライフルを構え、ゴールデンは火災報知器を鳴らして、ジョンソンに合流した。そして、校庭に逃げ出す生徒や教師たちに向けて発砲し始めたのである。これにより5人が死亡し、10人が重傷を負った。

 ナタリー・ブルックス(11)
 ペイジ・アン・ヘリング(12)
 ステファニー・ジョンソン(12)
 ブリットニー・ライアン・ヴァーナー(11)
 シャノン・ライト(32・教師)

 彼らがターゲットにしたのは全て女性だった。

 法廷において、ジョンソンはこのように供述した。
「僕たちは誰も狙っていませんでした。ただ驚かせようとしただけなんです」
 だが、負傷者の中には近頃、彼を振った女学生がいる。そんなワケはないんじゃないかと誰もが思う。

 ジョンソンとゴールデンはイジメられっ子だったと報じられている。それが原因で犯行に及んだようだ。
 両名は殺人容疑で有罪となり、21歳になるまでの間、刑に服することが宣告された。それが当時のアーカンソー州における未成年者の最高刑だった。

 ジョンソンは2005年8月11日に釈放されたが、2007年1月1日に銃の不法所持と大麻の不法所持の容疑で逮捕された。2008年2月にはクレジット・カードの窃盗容疑で逮捕されて、18年の刑を宣告されている。
 一方、相棒のゴールデンは、2007年5月25日に釈放された。

(2013年1月4日/岸田裁月) 


参考資料

http://en.wikipedia.org/wiki/Jonesboro_massacre
http://www.trutv.com/library/crime/serial_killers/weird/kids1/index_1.html
http://murderpedia.org/male.G/g/golden-andrew.htm


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