キース・Ａ・レジャー
１９９４年１１月７日午後、オハイオ州クリーブランド近郊の町、ウィクリフのウィクリフ中学校に迷彩服を着た男が侵入し、ショットガンを乱射し始めた。この惨事により守衛のピート・クリストファー（４１）が死亡、教頭のジム・アンダーソン（４８）と教師のローウェル・グリム（５０）、警官のトーマス・シュミット（４７）が重傷を負った。
間もなく武装警官により制圧された犯人のキース・Ａ・レジャー（３７）はこの学校の卒業生だった。犯行時に浴びるほど酒を飲んでおり、酩酊状態だったという。その動機についてはレジャーが沈黙を貫いているので不明のままだが、或る捜査官は「かつて受けた体罰を恨んでいたのではないか」と推察している。彼が生徒を標的にしていなかったことがその根拠だ。
かくして、キース・Ａ・レジャーは１件の殺人、３件の殺人未遂の容疑で有罪となり、５７年の刑が云い渡された。
なお、最初に警察に通報したのは、近くの工事現場で働いていた作業員だった。ショットガンを携えた男が学校に侵入する様を目撃した彼は、直ちに携帯電話で通報した。彼が通報しなければ、被害は更に甚大なものになっていたことだろう。
（２０１３年１月２７日／岸田裁月）