コフィー
COFFY

米 1973年 91分
製作総指揮 サミュエル・Z・アーコフ
監督 ジャック・ヒル
脚本 ジャック・ヒル
音楽 ロイ・エアーズ
出演 パム・グリア
   ブルッカー・T・ブラッドショウ
   ロバート・ドクィ
   ウィリアム・エリオット
   アラン・アーバス
   シド・ヘイグ


『ジャッキー・ブラウン』でリバイバルした70年代を代表するアクション女優、パム・グリアの初主演作。2000年に我が国で初めて劇場公開された際には、なにやら渋谷系のファッション映画のような取り扱いであったが、そんな軽薄なものではなく、B級エッセンス満載の娯楽アクション映画である。

 監督はロジャー・コーマンの下で数々の傑作を放ったジャック・ヒル。『残酷女刑務所』でパム・グリアを起用したヒルは、その度胸と気っ風の良さに感服し、続編『ビッグ・バード・ケイジ』でも起用。そして、機は熟したとばかりに彼女を大々的に売り出したのが本作である。内容は、一言で云えば「女必殺仕置人」。麻薬で廃人となった妹の仇を討つために、ディーラーどもに仕置きする。その鯔背な姿は「カッコいいッ」の一語に尽きる。


 ヒルの演出はとにかくテンポがいい。冒頭で、いきなりディーラーの脳天をショットガンで吹き飛ばす。キング・ジョージ(写真上)の描写はさらに凄い。ヒルはこのディーラーをテーマ曲まで作って鳴り物入りで登場させておきながら(「彼はキング・ジョージ。ワーオ。男の中の男」とかいう歌詞)、わずか10分ばかりの出番で早々に殺してしまう。いったい何のための「キング・ジョージのテーマ」だったのか?。私にはさっぱり判らないが、このあたりの「破綻型演出」が、ヒルの魅力なのである。

『コフィー』にはこのような、ギャグなのかマジなのかよく判らない演出が満載だが(例えば、警官がコカインを吸引して、張り切って出動したりとか)、そのすべてを挙げていると切りがない。
 とにかく、この映画を観て云えることは、70年代の東映映画がかなりの部分をパクッているということである。ラストで裏切った恋人を涙ながらに射殺するパムの姿に、私は「さそり=梶芽衣子」の原型を見た。こんなに面白い映画であるにも拘わらず未公開に終わったのは、元ネタがバレることを恐れた東映の陰謀なのかも知れない。


関連人物

ジャック・ヒル(JACK HILL)
パム・グリア(PAM GRIER)


 

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