マッシュルーム
MUSHROOMS

オーストラリア 1995年 93分
監督 アラン・マデン
脚本 アラン・マデン
出演 リネット・カラン
   ジュリア・ブレイク
   サイモン・チルヴァース


「少年隊のコンサートに森光子と黒柳徹子が押し掛けた」との芸能ニュースを見ていたら、この映画のことを思い出した。老婆二人のグロテスクな物語である。

 万引きで生計を立てている二人の老婆のもとに強盗犯人が逃げ込んで、
「かくまってくれなきゃ万引きバラす」
 と脅迫する。間の悪いことに老いぼれ刑事が下宿人としてやって来て、気が気でない老婆二人。犯人と刑事が一つ屋根の下で一夜を過ごすこととなる。
 翌朝、犯人はポックリ逝っていた。 一酸化炭素中毒である。パニくった二人はこれをバラバラに。両腕を捨てて帰宅すると、なんと老いぼれ刑事が人肉とは知らずに「焼き豚」を作っていた…。

「老婆のカニバリズム」という大筋から「安達が原の鬼婆」みたいな物語かと思ったら、これが実にのほほんとしたブラックコメディ。やがて老婆二人と老いぼれ刑事のロマンスへと発展する老人映画である。
 残った肉の処理に困った老婆二人は、ミンチにしてニワトリの餌に混ぜ、完全犯罪を企むが、老いぼれ刑事はさすがに気づき、それでも愛しちゃってるので「ぼく、こまっちゃう」などと葛藤する。カニバリズムはうっちゃられて、老いらくの恋の物語となってしまうのである。なんじゃこりゃ。

 過激なものを期待すると肩透かしと喰らうが、それでも食べ物がらみのシーンは十分グロテスクである。特に、老いぼれ刑事が作った「焼き豚」に入れ墨を見つけて、老婆の一人がオエッとなるシーンは、見ているこちらもオエッとなる。

 我が国でも、森光子と黒柳徹子、モリシゲあたりでリメイクしたら、さぞ面白かろう。食べられる人は東がよかろう。


 

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