海底王キートン
THE NAVIGATOR
米 1924年 59分
監督 バスター・キートン
ドナルド・クリスプ
出演 バスター・キートン
キャサリン・マクガイア
フレデリック・ブルーム
キートンは大富豪のどら息子。ひょんなことから愛しいあのコと二人きり、大型客船で漂流するハメになる。当初はコーヒーの入れ方も缶詰の開け方も判らなかった二人だが、ひと月もすれば人間どうにかなるもんだ。創意工夫で逞しく生きて行く。ところが、南海の孤島で船は座礁してしまう。穴ぼこがあいて沈没寸前。かたや孤島に待ち受けるのは食人族だあ。前門の虎、後門の狼。我らがキートンの運命や如何に?。
興行的に最も成功したキートン作品である。本作を機にキートンはドル箱スターの仲間入りを果たした。
切っ掛けは「バフォード号」という大型客船の廃棄処分だった。この情報を耳にしたキートンは2万5千ドルで買い上げ、その上でストーリーを練り上げた。船の小道具を利用したギャグが随所にちりばめられている。
前作のような派手なスタントはないが、キートンはこのたび潜水に挑んでいる。酸素ボンベなどない当時はかなり危険な行為だ。それでも自らが潜ったのだから大した役者馬鹿である。
撮影はタホ湖で行われた。箱に入ったカメラとカメラマンを湖底に沈めての撮影である。おそらく史上初めての本格的な水中撮影だろう。ただ、水温が低すぎて30分と潜っていられなかった。水中シーンだけで4週間も要したというから労作である。
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