スナッブ・ポラード
HARRY 'SNUB' POLLARD
(1889-1962)

《主な出演作》
*IT'S A GIFT(1923)



『これは天才』

 60年に製作されたサイレント喜劇のオムニバス喜劇の王様たち』(日本版ナレーションは有島一郎)の中で、ひときわ異彩を放っていたのが『これは天才』という邦題で紹介された作品だった(原題は『IT'S A GIFT』)。ヘの字の口髭をはやした胡散臭い発明家が、その奇妙奇天烈な発明で騒動を巻き起こす。傑作なのが「磁石自動車」だ。大きな磁石を手に持って、道行く自動車の後をくっついていくのだ。動力もいらなきゃ燃料もいらない。実に経済的である。

 発明家に扮するのはスナッブ・ポラード。ナレーションによれば、マック・セネットと並ぶコメディ製作者、ハル・ローチハロルド・ロイドと共に売り出したコメディアンとのこと。しかし、その人気は短かったようだ。コメディアンとしての彼の存在は我が国ではほとんど知られていない(普通の俳優としては、その後も多くの作品に出演している)。『これは天才』という邦題で我が国で上映されたのかどうかも判らない。


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