ビキニマシン
DR. GOLDFOOT AND THE BIKINI MACHINE

米 1965年 89分
製作 ジェームズ・H・ニコルソン
   サミュエル・Z・アーコフ
監督 ノーマン・タウログ
出演 ヴィンセント・プライス
   フランキー・アヴァロン
   フレッド・クラーク
   スーザン・ハート
   ドウェイン・ヒックマン


 ジェームズ・H・ニコルソン(ジャック・ニコルソンの叔父)とサミュエル・Z・アーコフ率いるAIPお得意の「ほのぼのエロス」のお笑いゴーゴー映画である。

 AIPの映画はすべてが「ほどほど感」に支配されている。予算もほどほど。中身もほどほど。それなりの娯楽を提供してはくれるが、それ以上のものはない。AIP映画で人生を変えられたという人は滅多なことでは存在しないだろう。
 で、本作ももちろん「ほどほど」の映画である。ほどほどのお色気とほどほどの音楽(主題曲はブレイクする前のシュープリームス)。ほどほどのスケールでほどほどにキチガイな博士が世界征服を企む。

 ビンセント・プライス扮するゴールドフット博士の野望はもちろん世界征服。そのためには蓄財しなければならないと、ロボット美女軍団「ビキニマシン」を製造し、世界中のお金持ちと結婚させようと企んでいた(ほどほどのスケール)。それに気づいたボンクラ秘密諜報部員001/2がドタバタとズッコケながらも野望を打ち砕く。

 ギャグははっきり云ってドリフ並み。拳銃で撃たれた「ビキニマシン」が牛乳を飲むと穴からピューッとこぼれるシーンを始めとして、今どき子供番組でもやらないギャグばかり。「小学校低学年向け」という注意書きが見えてくるかのようだ。しかし、ビキニのゴーゴー・シーンがあるからには大人向けなのであり、観客も随分バカにされたもんである。

 それでも、本作はほどほどにヒットしたようで、翌年には続編が製作されている。『ゴールドフット博士とガール・ボム』というタイトルで、今度は「ビキニ爆弾」の話らしい(監督はなんとあのマリオ・バーヴァ)。思うに、『オースティン・パワーズ』に出てきたロボット美女軍団「フェムボット」の元ネタは本シリーズなのではないだろうか。


関連人物

サミュエル・Z・アーコフ(SAMUEL Z. ARKOFF)


 

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