裸の十字架を持つ男/エクソシストフォーエバー
REPOSSESSED

米 1990年 81分
製作 ボブ・ローガン
監督 スティーヴン・ワイザン
脚本 ボブ・ローガン
出演 レスリー・ニールセン
   リンダ・ブレア
   ネッド・ビーティ


『裸の銃を持つ男』がヒットしてからというものの、コメディアンに転向したかつての傍役俳優レスリー・ニールセンはいったいどれだけ「裸」になったのだろうか?。列挙してみよう。

『裸の宇宙銃を持つ男』
『裸の十字架を持つ男』
『裸のローマ帝国20001/2年前』
『ハーヴィ/裸のウサギを持つ男』
『裸の銃を持つ逃亡者』
『裸のサンタクロース』
『裸のクラブを持つ男/レスリー・ニールセンのギャグゴルフ』

 最後の作品はゴルフが趣味のニールセンによる「ゴルフ講座」ビデオに過ぎないのだが、ここでも裸になっている。否。「裸にされている」というべきか。『裸の銃』以降の彼の作品は、ほぼ半分が無理矢理裸にされているのである。

 こうした安易な邦題作品が面白くないのは云うまでもないが、どれが「最低」かと問われれば、私はためらいなく本作を推す。リンダ・ブレアが共演ということからお判りだろうが『エクソシスト』のパロディである。しかし、ディレクターズ・カットが再上映された昨今なればいざ知らず、90年の製作とは、いやはやなんともパロディとしては遅きに失する。しかも、他に剽窃されているのが『スターウォーズ』に『ランボー』、マイケル・ジャクソンにエルトン・ジョン、グルーチョ・マルクスってんだから呆気にとられる。みな鮮度の落ちたネタばかりで、食傷気味どころか食中毒を起こす。
 観客は下痢ピーピーだが、映画の中身はゲロげえげえ。例の嘔吐のパロディが繰り返し繰り返し、これでもかッと登場する。自由の女神までがゲロを吐き、「たぶんラストもゲロで決めるゾ」と思っていると、案の定、主演二人が仲良く並んで大量に嘔吐し、「少しは期待を裏切れよッ」と画面に向かってツバを吐いた。
 下痢はするわ、ゲロを吐くわ、ツバを吐くわで、本当にバッチい映画である。


 

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