ロッキー・ホラー・ショー
THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW

英 1975年 99分
監督 ジム・シャーマン
原作 リチャード・オブライエン
出演 ティム・カリー
   スーザン・サランドン
   バリー・ボストウィック
   ジョナサン・アダムス
   ミート・ローフ
   パトリシア・クイン
   チャールズ・グレイ
   リチャード・オブライエン


「阪神は好きだが、ファンは嫌い」という人は結構いる。それと同じで、「『ロッキー・ホラー・ショー』は好きだが、ファンは嫌い」という人も結構いる。あちらでの「ファンの集い」とかでコスプレをキめて大はしゃぎしているさまを見ると「あ〜あ」とか思ってしまう。
 いや、別にいいんだけどね。「ファンの集い」という隔離された場所でやる限りは。
 だけど、『ロッキー・ホラー』のファンはしばしば他人を巻き込む傾向があり、それが困ったものなのである。
 我が国で云えば、『ロッキー・ホラー』は同じロック・ミュージカルということで『ファントム・オブ・ザ・パラダイス』と二本立てで上映されることが多かったのだが、自他共に認める「ファントム・フリーク」の三留まゆみ氏は、

「『ファントム』の終わりに無神経にわいわい入ってきて「気持ち悪い!」だの「恐い!」だの勝手に叫ぶ『ロッキー・ホラー』ファンが嫌いだった」。

「『ファントム』ファンにとって『ロッキー・ホラー』とのカップリングは頭の痛い不幸な組み合わせだった」。

 と嫌悪感をあらわにしている。

 私の妹もその被害に遭っている。勤務先にそれ(男)がいたのだ。彼女が映画好きと知るや『ロッキー・ホラー』のビデオを持ってきて「面白いから!」だの「最高だから!」だのと熱弁して無理矢理押しつけてきたのだそうだ。
 兄から「オカマのフランケンシュタイン学芸会」と聞いていた彼女は、それでも社内の対人関係を壊したくないのと、そいつの眼、或る種の狂気が宿った眼が怖くて、渋々借りて観て、やっぱり何が面白いのかさっぱり判らなくて、だけど、その眼が怖いので「面白かった」と適当にお茶を濁したという。

 かくして、それの被害者は増殖し、その悪評も蔓延して行くのである。

(なお、左写真は、先日20年ぶりぐらいに再見して発見した「アメリカン・ゴシック」。他にも、ミート・ローフの手が『狩人の夜』になっていたりと、マニアックなくすぐりが散見された)


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