ザ・マン・ウィズ・ツー・ヘッズ
THE MAN WITH TWO HEADS

米　1971年　80分
監督　アンディ・ミリガン
脚本　アンディ・ミリガン
撮影　アンディ・ミリガン
出演　デニス・デマーン
　　　エイプリル・コナー
　　　ガイ・フェルド

　アンディ・ミリガンの作品は二度と見るまい買うまい借りるまいと心に誓っていたのであるが、古本屋でこのビデオを見つけて金三百円也。「掘り出し物だあ」とついつい購入してしまった。購入したからには見なければならない。ビデオを再生してからは、退屈との戦いであった。

　タイトルから「双頭もの」かと思ったが、古典的な「ジキルとハイドもの」だった。人間の脳の邪悪な部分を抹消する薬を開発しているジキル博士。遂に試薬が完成し、自らが実験台となる。ところが、間抜けな助手が公式を間違えたために、かえって邪悪が助長されて人格分裂。博士は凶悪なハイド氏となり、今夜も売春婦をなぶり殺すのであった。

『血に飢えた断髪魔』の頃より演出力は向上しているが、それでもヘッポコには変わりない。目クソが鼻クソに昇格したようなものである。ミリガンの作品は最高でも２万ドル、通常は数千ドルぽっちの予算だったそうで、商業映画としては記録的な貧乏だ。そんな貧乏な映画がわざわざ海を渡って、我が国でビデオ・リリースされたのは、レンタルビデオ・バブルとスプラッター映画ブームのおかげだが、ミリガンの作品はスプラッターとしても失格である。予算がないため、リアルな臓物シーンが描けなかったのだ。
　本作にもトンデモないスプラッター・シーンがある。「解剖手術する時間がない」とジキル博士と助手たちが中華包丁で人体解剖するシーンがあるのだが、そこで出てくる内臓は、どう見ても鳥肉の皮である。

血に飢えた断髪魔（BLOODTHIRSTY BUTCHERS）

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