ダーティ・キッズ/ぶきみくん
GARBAGE PAIL KIDS

米 1987年 97分
製作 ロッド・アマトゥ
   トーマス・コールマン
   マイケル・ローゼンブラット
監督 ロッド・アマトゥ
出演 アンソニー・ニューリー
   マッケンジー・アスティン


「キャベツ畑人形(Cabbage Patch Doll)」のことを果たしてどれだけの人が憶えているであろうか。ヤンキーどもに大流行、アメちゃんかぶれのジャップどもにも売れるだろうと見込んだが大ハズレだった物件である。そもそも日本では流行っていないのだから、憶えている方が変である。(流行らなかった、ということだけは憶えているかも知れないが)。
 で、そのパロディの「ゴミ箱キッズ(Garbage Pail Kids)」 はというと、知っている方が変である。しかし、ヤンキーどもの間では本家に比肩するほどの大人気で、いまだにトレーディングカードやグッズは販売されているという。(試みにググってみるとよい。たくさんヒットするから)。そんな「人気者」の映画化が本作である。

「ぶきみくん」とはなかなかの名邦題であるが、「ぶきみくん」というよりも「げれつくん」というべきであろう。ここに出てくる「ゴミ箱キッズ」は、ハナは垂らすわ、オナラはするわ、口臭はひどいわ、ゲロは吐くわ、小便は漏らすわ、皮膚病だわで、とにかくバッチイのだ。なにしろ「キャベツ畑」の裏を返した「ゴミ箱」だからね。「吐きだめの悪魔」のような連中が続々と登場する。
 しかし、映画の中身はというと、これがなんとお子様向け。まあ、もともとがお子様向けの商品だから仕方がないが、これだけアナーキーな連中を登場させておきながら「中学生日記」みたいな道徳教育に落ち着いているのがなんともはやだ。
 要するに「差別はやめよう」がテーマなのだよ。
 ことさらに差別されるようなキャラを作っておきながら、このテーマはないと思う。どうせなら、差別された「ぶきみくん」たちフリークスが健常者を皆殺しにするような、そんな殺伐としたブラックユーモアにして欲しいものである。


 

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