評価 ★★★

処刑男爵
BARON BLOOD

伊 1972年 84分
監督 マリオ・バーヴァ
製作 アルフレード・レオーネ
脚本 ヴィンセント・フォートル
出演 ジョセフ・コットン
   エルケ・ソマー
   ラーダ・ラシモフ
   マッシモ・ジロッティ


『血みどろの入江』でキャンプ場を舞台に現代的なスプラッターを繰り広げたマリオ・バーヴァが、舞台を再び古城に戻して撮影したゴシック・ホラー。『血ぬられた墓標』の頃の精彩さは欠くが、ロケ地となったウィーン郊外の古城が素晴らしいので最後まで見入ってしまう。
 物語は『ブラディ・ピット・オブ・ホラー』にやや似ている。16世紀に非道の限りを尽くしていた「血みどろ男爵」の怨霊が現代に甦って悪さをする。前半は、甦ったばかりなので全身が血肉でデロデロの「血みどろ男爵」がヨタヨタと殺しを繰り返すのみで、正直云って面白くない。おいおい、このまま行くのかよと思っていたら、後半から車椅子の怪しげな大金持ち、ジョセフ・コットンが登場。古城を買い取り「血みどろ男爵ツアー」として地下拷問室のテーマパーク化を企む。面白いじゃないか。
 この役は当初はヴィンセント・プライスやレイ・ミランドが打診されていたそうだが、いずれもスケジュールが合わず、それでコットンにお鉢が回ってきたのだそうだ。嬉々としてベラ・ルゴシ顔負けの怪演を披露している。


↑コットンさん、楽しそうです。


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