SF/人喰いアメーバの恐怖NO.2
BEWARE! THE BLOB
SON OF BLOB

米 1971年 88分
製作総指揮 ジャック・H・ハリス
監督 ラリー・ハグマン
出演 ロバート・ウォーカー・Jr.
   ラリー・ハグマン
   キャロル・リンレー


 あのスティーブ・マックイーンの初主演作がB級SF『絶対の危機(ピンチ)』だったということは、巷では結構知られている。我が国では『人喰いアメーバの恐怖』というタイトルでTV放映されていたので、そのタイトルで御存知の方も多かろう。
 この「人喰いアメーバ」、正確にはアメーバではなく、隕石に運ばれてやってきた宇宙生物で、正式名を「ブロブ」という。
 この「ブロブ」には主題歌までがあり、作曲はなんと、売れない頃のバート・バカラック。ラテン系のコミック・ソングのようなナンバーで、バカラック最初のヒット曲になったというから、あちらでは「ブロブ」は意外な人気者なのだ。
 で、この主題曲のコミカルなイメージをそのまま映画化したような作品が、この続編である。我が国でも『SF/人喰いアメーバの恐怖NO.2』のタイトルで嫌というほどTV放映されたので、御覧の方も多いかと思う。
 ガキの頃はかなり怖がりながら観たものだが、今観ると前作のパロディであることが判る。


 まず、オープニング。「ブロブの息子」というふざけたタイトルと共に、ペリー&キングスレーを彷佛とさせるコミカルな電子音楽が流れる。この時点でこの映画が冗談であることは誰もが判る。
 で、前作で凍らされて南極に棄てられた「ブロブ」をうっかりさんが解凍してしまったために、またもや惨劇が繰り広げられるという物語。最初の犠牲者が喰われる時に見ていたTVが『絶対の危機』だというくすぐりには顔が綻ぶ。
 床屋で洗髪中の客を「ブロブ」に浸けてしまったり(左写真)、襲われた神父が十字架をかざしたり(だけど、あっさりと喰われる)、入浴中に襲われたハゲ親父が裸のまま逃げ出して、ストリーキングと間違われて逮捕されたりと、小ネタが満載で、見ていて飽きない。
 結局、スケートリンクで凍らせて一件落着.....かに思われたが、TVインタビューを受ける無能保安官の足元の「ブロブ」が溶けて、これが足に喰いついて「ギャーッ」ってな、『ウルトラQ』の「ケムール人」みたいなラストに「THE END ?」のテロップ。B級エッセンス満載の佳作である。

 なお、本作の製作者のジャック・H・ハリスは、前作を始め『4Dマン』や『最後の海底巨獣』、そしてジョン・カーペンターのデビュー作『ダーク・スター』も製作している「判っている人」。88年には1作目のリメイク『ブロブ/宇宙からの不明物体』も製作している。


 

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