ザ・ネスト
THE NEST

米 1987年 87分
製作 ジュリー・コーマン
監督 テレンス・H・ウィンクレス
出演 ロバート・ランシング
   リサ・ラングロワ
   テリー・トレアス
   フランク・ラッツ
   スティーヴン・デイヴィス


 あのロジャー・コーマンの奥さんが製作したゴキブリ映画。安さは相変わらずだが、そこはそれ、サービス精神満点のコーマン一家だから、無茶苦茶な展開で楽しませてくれる。

 とある離れ小島でゴキブリが大量発生、スーパーの肉を喰い尽くすまでは良かったが、やがては人間まで喰い始める。
 このゴキブリ軍団、始末が悪いことに「遺伝子組み換え実験」の産物だった。そんじょそこらの殺虫剤じゃ死なないばかりか、食べた動物の遺伝子を取り入れて変身していくデーモン族のようなバケモノだったのだ。猫や犬と合体したかと思ったら、人間とも合体して『ザ・フライ』のような昆虫人間に変身する。そして、最後には『デビルマン』のジンメンのような、人間の顔をいくつもつけた女王ゴキブリが登場(下写 真)。ゴキブリの原型をほとんど留めていないその造型に観客を唖然とさせつつ、大爆発と共に映画は終わる。


 ゴキブリの数は少ないし、ラストに近づくにつれ、なんだかわけの判らない怪物に変身していくので「動物パニック映画」と呼んでいいのかクエスチョンの怪作である。いずれにしても、その強引なパワーだけは堪能出来る。コーマン一家の映画が真に面白かった頃の最後の作品として評価できるのではないだろうか。

 さて、最後にゴキブリ好きには堪えられないゴキブリ映画一覧。
『燃える昆虫軍団』。発火するゴキブリが襲ってくる変則パニック異色作。
『クリープ・ショー』。オムニバスのホラー・コメディ。最後の話でE・G・マーシャルを喰い破って出てくるゴキブリ軍団が圧巻。
『ミミック』。人間に擬態する巨大なゴキブリが登場するモンスター映画。とにかく汚い。
『ブラッダ』。CGによるゴキブリ軍団が圧巻。ディーン・ストックウェルが喰われます。


関連人物

ロジャー・コーマン(ROGER CORMAN)


関連作品

燃える昆虫軍団(BUG)


 

BACK