深海からの物体X
CREATURES FROM THE ABYSS

伊 1999年 90分
製作 アル・パッセリ
監督 アル・パッセリ
出演 クレイ・ロジャース
   シャロン・トゥーミー
   マイケル・ボン
   アン・ウルフ


 アルバトロスという会社は、ホントに罪深い。『キラー・コンドーム』とか『クイーン・コング』とかのダメな映画を面白おかしく大々的に宣伝して、善良なる市民を煙に巻く。それが徹底的にダメな映画で、シュールの域に達しているなら話は別なのだが、どれもこれもなんとも中途半端なダメっぷりで、損した気分にしかならないのだ。
 この『深海からの物体X』もそんな作品だ。

 邦題から想像つくと思うが、『遊星からの物体X』+『アビス』の物語である。さかりのついたボンクラ学生5人組が海上で無人船を発見。「しめた。これ、もらっちゃおう」などとノンキなことを抜かしてオマンコに精を出すうちに、物体Xが現れてグチョグチョになる。
 食あたりの女がゲロを吐くと(御丁寧にカメラに向かって吐く)その中に何故かクワガタ虫がいたり、物体Xに犯された女がキャビアをドロドロと出産したりと悪趣味テンコ盛りで、免疫のない人は不愉快になること請け合いだ。

 世間の評価はどうなのだろうとネットで検索してみると、「バカ映画」として誉めてる人と「金返せ」と腐している人が半々。まあ、正当な評価だろうが、誉めるほどバカではなかったぞ。
 で、腐している人たちの共通の疑問が「本当に1999年の映画なのか?」。
 たしかに、CG全盛の御時世にチープな人形アニメーションは余りにもあれだ。IMDbで調べてみると、やっぱり1994年の製作。オリジナルのタイトルは『PLANKTON』だった。5年も前の映画を「1999年製作」と偽って東京国際ファンタスティック映画祭に出品するとは、アルバトロス、いい度胸をしている。


 

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