テラービジョン
TERROR VISION

米 1986年 85分
製作総指揮 チャールズ・バンド
監督 テッド・ニコラウ
脚本 テッド・ニコラウ
出演 ダイアン・フランクリン
   ゲリット・グレアム
   マリー・ウォロノフ
   チャド・アレン


 我らがエンパイアが放った「怪獣ものバカ映画」の佳作。東京国際ファンタスティック映画祭で上映されて大好評だったというから、バカを愛する心は世界共通だ。

 宇宙人により遺棄された公害怪獣を衛星アンテナが拾ってしまいました、ってな物語なのだが、拾った家庭の事情が面白い。ジイさんと息子はミリタリー・マニア。娘はメタル。その両親はスワッピング・マニアの色情狂という「変態家族/兄貴の嫁さん」状態で、しかも、お父さんが『ファントム・オブ・ザ・パラダイス』のゲリット・グレアム、お母さんが『フライパン殺人』のマリー・ウォロノフというのだから、異常に濃いカップルだ。
 映画前半は怪物がジジイと両親、そして、そのスワッピング相手を喰いまくるお下劣映像をグチョグチョデロデロと見せて、後半からはガキどもが怪物を飼い馴らしてひと儲けしようとする「ETナニワ商人版」にシフトする。
「テレビに出せば儲かりまっせ」
 と、TV局に電話して、
「ええネタ、おます」
 ところが、お姉ちゃんの彼氏(もちろんメタル)が調教に失敗。ガツガツ喰われて「はて、どないしよう?」と思案していると、怪物を遺棄した宇宙人登場。
「君たちには迷惑をかけた。私が万事解決しよう」
 と云ってる矢先にTV局の奴が来て「変態さんか?」と宇宙人をド突く。ヘルメットが割れて、
「気圧が、気圧が〜」
 宇宙人さんはグチャリと潰れて、物語は最悪の結末を迎えるのでした(笑)。


 

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