評価 ★

死霊の鏡/ブギーマン
THE BOOGEY MAN

米 1980年 86分
監督 ウーリー・ロメル
脚本 ウーリー・ロメル
   スザンナ・ラヴ
出演 スザンナ・ラヴ
   ジョン・キャラダイン


 これは「最低映画」であることを前提に、まったく期待しないで見たので、なかなか楽しめる作品であった。

 あらすじはしっちゃかめっちゃかである。
 幼い子供たち(姉と弟)の前で平然と、よそのオジサンと交わるお母さん。キレた弟は包丁でオジサンを滅多刺し。あからさまな『ハロウィン』からのパクリで始まるこの映画は、いきなり20年後に話が飛ぶ。
 事件のショックで聾唖になった弟は、今では姉の旦那の家で世話になっている。包丁をコレクションしていたり、ヘビをペットで飼っていたり、誘惑する女の首を絞めようとしたりとアブナイ奴で、見ている方としては当然にこいつが主役の殺人ものだと思うじゃないか。ところが、そうじゃないんだなあ。この弟はまったく活躍しないデクノボウで、本筋は殺されたオジサンの怨霊が活躍するオカルトものにシフトチェンジしてしまう。ビックリである。じゃあ、今までの伏線はいったい何だったんだ?。
 要するに、殺害現場を映していた鏡にオジサンの怨霊が真空パックされており、それが割られたことにより怨霊が解き放たれて惨劇が繰り広げられるというのが本筋である。しかし、事件とまったく関係ない人々ばかりを殺すのみ。仇である姉弟は無傷のまま映画は終わる。
 なんじゃこりゃ?。
 私はこれまでいろいろと支離滅裂な映画を観てきたが、これほど支離滅裂なものは珍しい。

 私が特に感心(悪い意味で)したのは、イタズラ好きの少年が窓枠に首を挟まれて死ぬシーンである。
 オジサンが殺された家には今は別の一家が住んでいる。姉二人に弟一人。まず、一番目の姉がオジサンの怨霊に憑衣されて、自らハサミを首に刺して死ぬ(ビデオジャケットがその写真) 。
 次いで、その姉を驚かそうと二階の窓から顔を出した弟が首を挟まれて死ぬのであるが、これが「ギャーッ」でも「ウワーッ」でもなく、本当にあっさりと、クタ〜ッて感じで死ぬ。「こんなに簡単に人は死ねるのか?」と疑問に思うほどにすんなりと死ぬ。しかも、その死に顔はやすらかで、まるで榎本俊二の『ゴールデン・ラッキー』のような死にざまだ(下写真)。
 そして、二番目の姉も、急に開いた洗面台の扉に頭をぶつけて死ぬ。本当にあっさりと死ぬのであるが、このシーン、女優が頭をぶつける前から痛い顔をしちゃっている。
 スゴイぞ、この映画。
 私は真剣に、この映画に「最低映画大賞」を与えたいと思っている。

 なお、この映画の素晴らし過ぎる脚本を書いたのは、監督と主演女優の夫婦である。いやあ、いい夫婦だねえ。別れたらしいけど。


↑クタ〜ッて感じで安らかに死ぬ。


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