評価 無星(評価外)

死霊の鏡2/ブギーマン2
BOOGEY MAN II

米 1982年 80分
製作 ウーリー・ロメル
監督 ブルース・スター
脚本 ウーリー・ロメル
   スザンナ・ラヴ
出演 スザンナ・ラヴ
   ウーリー・ロメル


 最近、家から二駅行ったところに潰れかけたビデオ屋をみつけて、ここの在庫がもう最高。新しいのを仕入れないからトンデモなく古いものばかりが並んでいて、近所に「TSUTAYA」があるってのに大丈夫か?。まあ、遅かれ早かれ潰れるのは明白だ。その前にめぼしいものは借りておこうと日参している毎日である。店長は大喜びだが、俺の登場は倒産の前触れなのだということを知れ。
 で、今回紹介するのは、以前から探していた『死霊の鏡2/ブギーマン2』である。ようやくこの店で見つけることができた。店長、感謝。よくぞ棄てないでいてくれた。

 本作は「最低映画大賞」というものがあるのならば是非グランプリをあげたいと思っていた『死霊の鏡/ブギーマン』の続編である。噂には聞いていたが、まあ、シドイ、シドイ。前作を上回る酷さで、唖然とさせられる。
 何がシドイと云ってこの映画、上映時間の半分が前作の回想なのだよ。前作のハイライトシーンをそっくりそのまま引用しているのだ。だから、前作を観ていない方でも安心して見れまっせって、
そんなンあるかいッ。
 ....あまりのことに声を荒げてしまったが、諸君もこれを見れば私の憤怒を理解して頂ける筈である。

 要するに、こういう物語なのだ。
 前作のヒロインが女友達のパーティーに招かれる。そこで「最近こんな不思議なことがあったのよ」と前作のストーリーをそっくりそのまま語って聞かせる。この女友達の旦那ってのが売れない映画監督で、
「そりゃ面白い。映画化すれば絶対に当たる」。
 と興奮するのだが、観ているこちらは虚しくなる。前作が当たらなかったことは知っているのだから。
 さらに虚しいのが、この映画監督を演じているのが前作の監督ウーリー・ロメル御本人なのだ。そして、カミさんに、
「もうこんな生活コリゴリよ。ホラー映画でも撮って一発当てなさいよ」。
 となじられているのである。
 これってマジだったんだろうなあ。マジでカミさんになじられて前作を撮ったけど当たらなくて、それでヤケクソになってこんな映画を製作したんだろうなあ。
 情けなくて涙が出て来た。

 さて、涙を拭いて、この世にも稀なるダメ映画がどう収拾をつけるかと云うと、自分の話の無断映画化ばなしに憤った怨霊のオジサン復活。電動歯ブラシやシェービング・クリームに憑衣してパーティーに来た人々を殺害....って、あのねえ、電動歯ブラシはともかく、シェイビング・クリームが顔にかかったくらいで人は死なないんだけど。

 ウーリー・ロメルとスザンナ・ラヴの夫婦はこの程度で「一発当てる」ことが出来ると本気で思っていたのだろうか?。だとしたら、勘違いも甚だしい。


↑こんな地味な殺人シーンばかり。


BACK