邪淫の館・獣人
THE BEAST

仏 1975年 94分
監督 ワレリアン・ボロズウィック
脚本 ワレリアン・ボロズウィック
出演 シルパ・レネ
   リスベル・ユメール
   ギイ・トレジャン
   ピエール・ベネデッティ


 5、6年前、『IMMORAL TALES』という欧州の変な映画を特集した本でこの映画の存在を知り、観たい観たいと思っていたら、なんと日本でもDVDで発売されておりました。

 いきなり馬の交尾シーンで始まるこの映画、テーマは「獣姦」である。
 破産寸前の侯爵家に嫁が来る。彼女は資産家のお嬢さまで、侯爵家は彼女の金を、資産家は名門の血筋を得るために婚約が成立したのだった。いわゆる政略結婚というやつである。しかし、いつまで経っても枢機卿は訪れず、婚礼の儀は行われない。そして、次第にこの侯爵家の忌わしい過去が明らかになって行く。

 早い話が、この侯爵家では200年に1度、獣人が嫁を犯しにやってくる。その忌わしい血が侯爵家に流れているのである。

 圧巻なのはその「獣姦」シーンである。ゴリラとクマが合体したかのような着ぐるみの獣人が、巨大なチンポコをピンコ立ちさせて追いかけてくる様は、恐怖を通り越して爆笑ものだ。ちゃんと先走り液を滲ませており、しっかりクンニまでする。そして、バックから犯された嫁はいい感じ。御礼としてフェラしてあげてパイズリまでする。
 これまで「怪獣ポルノ」はいくつか観てきたが、ここまで徹底的な「獣姦」描写は初めてである。

 監督は『インモラル物語』ワレリアン・ボロズウィック。その作風の背景には、ルイス・ブニュエルにも通じる「カトリックへの嫌悪」がある。カトリック的モラルを罵倒するための徹底的な「獣姦」描写なのである。
 そういえば、本作はルイス・ブニュエルの『小間使の日記』によく似ている。共にカタツムリが性器の象徴として登場するし、名門の血が汚れきっているあたりなんかはそっくりだ。
 ただ『小間使の日記』には「獣姦」は出てこなかった。それだけの違いで『小間使の日記』は名作、本作は「変な映画」として片付けられてしまっている。

 ところで、パイズリされた獣人はその後、どうなったのであろうか?。
 なんと、精液をすべて絞り出されて、腎虚になって死んでしまうのである。
 なんやねん、お前。弱いなあ。


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