エクストロ
XTRO

米 1983年 85分 カラー
監督 ハリー・ブロムリー・ダベンポート
出演 バーナイス・ステガース
   フィリップ・セイヤー
   マリアム・ダボ


 この映画の予告編を見た私は「なんじゃこりゃあ」と大いに驚き、早速ビデオ屋に走って借りた。それほどにこの映画の予告編は盛り沢山でワケが判らなかった。ターナー症候群の怪物。大人の男を産む妊婦。殺人ヨーヨーを操る小人のピエロ。ばばあを殺すロボット兵士。最後にメタリックな宇宙人が現れて、これが全部、一つの映画に入っているってッ?。本当に入っているのかと疑いながらビデオを見たら、たしかにちゃんと入っていた。しかし、ちゃんとした映画ではなかった.....。

 内容は『未知との遭遇』+『ET』+『エイリアン』+『シャイニング』+エトセトラ、エトセトラ。要するに、当時流行ったSF映画のすべての要素がゴッタ煮されてると思えばよい。更に『父帰る』が加味されて底が破れた感があるこの映画のあらすじを語るのは不可能に近いが、頑張ってやってみよう。


 3年前にパパを宇宙人にアブダクションされた少年は、新しいパパが嫌で仕方がなかった。そんな時、本当のパパが地球に帰って来るのだが、その方法が極めてインモラル。まず、怪物の姿で地球に降り立ち、見ず知らずの女を襲って妊娠させて、その膣から人間の姿に再生する。もちろん、女はそのまま死んでしまう。不謹慎極まりない。
「今頃帰って来られても困るわよ」。

 との妻の不平に耳も貸さず、我が子と涙の再会を果たしたパパ。少年に超能力を教えるが、根が腐ったガキなもんだから、オモチャのピエロや兵隊、戦車を超能力で動かして近所の人々を殺しまくる。一方、パパは次第に腐り始めて、こりゃ、すぐ帰らなきゃ、と我が子をアブダクション。根が腐った父子はエイリアンの卵を残して地球を去るのであった。

 ま、だいたいこんな話だが、実物はもっと盛り沢山だ。『007リビング・デイライツ』でボンドガールに抜擢されたマリアム・ダボがフランス人の下宿人役で出演していて、ヘア付きヌードを披露しているのも見どころの一つである。

 なお、ダベンポート監督は本作のスマッシュ・ヒット&カルト化に気をよくしたのか、2本の続編を撮っている。しかし、いずれも1作目と全然関係ない話であるばかりか、支離滅裂度はパワーダウンし、ありがちなC級エイリアン映画に終わってしまっている。


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