凶人ドラキュラ
DRACULA : PRINCE OF DARKNESS

英 1966年 90分
監督 テレンス・フィッシャー
出演 クリストファー・リー
   アンドリュー・キーア
   バーバラ・シェリー
   フランシス・マシューズ
   スーザン・ファーマー


 

 久しぶりに『吸血鬼ドラキュラ』『凶人ドラキュラ』と続けて見て、ふと気づいたことがある。
 ドラキュラって魔物にしては弱すぎるんじゃないか?。
 日光に当ると焦げちゃうし、十字架や聖水にはビビりまくり。胸に杭を打たれるまで起きないし、にんにくが苦手だからギョウザなんて食べられない。しかも、招き入れられないと他人の家に入れないってんだから、楽勝だよ、こんな奴。
 その点、ゾンビはすごいよな。眠らなくてもへっちゃらだし、脳みそを破壊されるまでOKだし、好き嫌いなく何でも喰うし、他人の家にも土足でヅカヅカ入り込むんだから無敵だよ。しかも、場合によっちゃあ走るんだ(さすがに、この前例は少ないが.....)。
 ドラキュラが廃れて、ゾンビが「プリンス・オブ・ダークネス」に君臨したのが判るような気がする。

 しかし、そんなドラキュラにもゾンビに勝るところがある。
 何度も蘇るのである。
『凶人ドラキュラ』から『新ドラキュラ悪魔の儀式』に至るまで、実に6回も復活している。そのたびにツラい思いして滅ぼされて、ドラキュラさんもたまったもんじゃないだろう。その魂は永遠に休まることがないのだろうか?。


備考

 英ハマー・フィルムが製作したドラキュラ映画を整理しておこう。

*吸血鬼ドラキュラ(DRACULA・1958)
 監督 テレンス・フィッシャー
 出演 ピーター・カッシング、クリストファー・リー、マイケル・ガフ

*吸血鬼ドラキュラの花嫁(THE BRIDE OF DRACULA・1960)
 監督 テレンス・フィッシャー
 出演 ピーター・カッシング、イヴォンヌ・モンロー、デヴィッド・ピール
 クリストファー・リーにドラキュラ役を拒絶されてしまったために、ドラキュラは出て来ない。

*凶人ドラキュラ(DRACULA : PRINCE OF DARKNESS・1966)
 監督 テレンス・フィッシャー
 出演 クリストファー・リー

*帰って来たドラキュラ(DRACULA HAS RISEN FROM THE GRAVE・1968)
 監督 フレディ・フランシス
 出演 クリストファー・リー
 一応『凶人ドラキュラ』の続きになっている。

*ドラキュラ血の味(TASTE THE BLOOD OF DRACULA・1970)
 監督 ピーター・サスディー
 出演 クリストファー・リー
 ドラキュラの血の粉末を飲んだお調子者にドラキュラが乗り移る。

*ドラキュラ復活/血のエクソシズム(SCARS OF DRACULA・1970)
 監督 ロイ.ウォード・ベイカー
 出演 クリストファー・リー

*ドラキュラ"72(DRACULA A.D. 1972・1972)
 監督 アラン・ギブソン
 出演 クリストファー・リー、ピーター・カッシング
 ドラキュラが現代に蘇り、久しぶりにヘルシングと戦う。

*新/ドラキュラ悪魔の儀式(THE SATANIC RITES OF DRACULA・1973)
 監督 アラン・ギブソン
 出演 クリストファー・リー、ピーター・カッシング
 一応『ドラキュラ"72』の続きになっている。

*ドラゴン VS. 7人の吸血鬼(LEGEND OF THE 7 GOLDEN VAMPRES・1974
 監督 ロイ.ウォード・ベイカー
 出演 ピーター・カッシング
 ショー・ブラザースの希望で急遽ドラキュラを出すことになった。


BACK