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最近、久しぶりにエドワード・D・ウッドJr作品を立続けに鑑賞したのだが、「本当にダメな人だったんだなあ」と改めて痛感した。例えば、『怪物の花嫁』の警察署のシーン。背後の壁に影が3つもある。3人いれば9つもある。壁がうるさくて仕方がない。どうってことないシーンでも、彼が撮るととてつもなくヘンテコになる。これは一種の才能である。 そんな彼の才能が評価され始めたのが80年代に入ってからのことで、その伝記が出版されて、94年には『エド・ウッド』として映画化。今日では「史上最低の映画監督」として誰もが知る存在であるが、伝記と映画の橋渡しをしたのがこのドキュメンタリーである。これさえ見ればエドワード・D・ウッドJrという人と『プラン9・フロム・アウタースペース』という映画がどのようなものだったのかが把握できるという優れものだ。そして、『プラン9』という映画が如何にアメリカのサブカルチャーに浸透し、如何に愛されているかが判る。こうして2時間もののドキュメンタリーとして成立していること自体がそのことを如実に物語っている。 「あの家です。まさにあの家なのです」。 まあ、そんな私も「プラン9」ナンバーの自家用車(左写真下)を乗り回すほどにはハマっていないわけだが。 |