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「SLEAZY」を辞書で引くと「安っぽい」と書かれているが、それ以上に猥雑なニュアンスが含まれているように思われる。例えば、場末のストリップを「It's Sleazy」と揶揄するのを聞いたことがあるが、とにかく、そうした「場末の猥雑な安っぽさ」が「SLEAZY」なのだろう。大蔵映画の一連の作品が「SLEAZY」であり、それはまた当最低映画館の目指すところでもある。 特に印象に残るのが冒頭の「ヒプノヴィスタ」である(写真上)。心理学者を名乗る男が登場し「画期的な方法を開発しました」と告知する。それが「ヒプノヴィスタ」である。要するに、この方法を用いると「客席にいながらにして映画の中で起ったことを体感できる」のだそうだ。なんだか『ケンタッキー・フライド・ムービー』の「感じる映画」みたいだ。 これに続く予告編群は、知っているのは『マリファナ』と『死霊の盆踊り』ぐらいで、本当に見たことも聞いたこともないようなものばかり。いずれも猥雑で、この上なく安っぽい。中でも特に印象に残るのが『ヤング・セデューサーズ』という作品である。タイトル部分に恥毛のアップがどーんっと来る(写真中)。テレビ画面だとどうってことないが、映画館の大スクリーンではさぞかし迫力があったことだろう。 こうした予告編の他にも、ストリップの「ニッケル・オデリン」だとか、幕間の宣伝だとかの、今となっては貴重な映像で楽しませてくれるが、中でも特に興味深いのが「モンスターには住むべき場所がある」と強調するCMである(写真下)。 |