評価 ★★

地獄の門
THE GATES OF HELL
a.k.a. CITY OF THE LIVING DEAD

伊 1980年 92分
監督 ルチオ・フルチ
脚本 ルチオ・フルチ
   ダルダーノ・サケッティ
出演 クリストファー・ジョージ
   カトリオーナ・マッコール
   ジョヴァンニ・ロンバルト・ラディス


 フルチじいさんが『サンゲリア』に続いて放ったグロテスク・ゾンビの決定版。ゲロと共に内臓を吐く女、後頭部からの脳みそ潰し、ウジ虫タイフーン、とグロい映像のオンパレード。中でも特にスゴいのが電動ドリルでの頭部串刺し。やられる方もやる方もゾンビでないばかりか、物語と関係ないという.....。とにかく、食事しながらの鑑賞厳禁、トリプルX指定の問題作だが、そんなことはどうでもよい。私が語りたいのはカトリオーナ・マッコールについてである。

 本作のヒロイン、カトリオーナ・マッコールには見覚えがあった。「はて、誰だろう?」といろいろ考えて「あっ、オスカルだッ」との結論に至った。そう。79年にカネボウとのタイアップで映画化された『ベルサイユのばら』に抜擢され、カネボウのCMに出まくっていた外人さんこそがカトリオーナ・マッコールだったのだ。 『ベルサイユのばら』は、監督にジャック・ドゥミー、音楽にミシャル・ルグランという『シェルブールの雨傘』のコンビを配した野心作であったが、海外での興行は実現せず、結局、マッコール嬢は日本でだけしか知られずに終わったのだった。で、行き着く先はフルチだったというわけ。『地獄の門』『ビヨンド』『墓地裏の家』とフルチ作品に立て続けに出演した彼女は、もうすっかりグロテスク・ホラーの顔。これにはカネボウもビックリだ。88年に出演した『アマゾニアン/柔肌に秘めた魔境伝説』というフランス映画では全裸の人喰い人種を演じているという(註1)。オスカルの末路が全裸の人喰い人種だとは、いったい誰が予想したであろうか?。

註1 観たことはないが、お寒いコメディらしい。


↑この可哀想な人についてはここを参照せよ。


関連人物

ルチオ・フルチ(LUCIO FULCI)


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