評価 ★★★★

シーバース
SHIVERS
a.k.a. THEY CAME FROM WITHIN

カナダ 1975年 94分
製作総指揮 ジョン・ダニング
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
出演 ポール・ハンプトン
   ジョー・シルヴァー
   リン・ローリー
   スーザン・ペトリ
   バーバラ・スティール


 デヴィッド・クローネンバーグのデビュー作である。
 我が国では『SF人喰い生物の島/謎の生命体大襲来』というモンスターSFのようなタイトルでテレビ放映され、「人喰いアメーバ」気分で見た視聴者の度胆を抜いた作品として語り継がれている。内容はエロありグロありのスプラッターで、明らかにお茶の間向けではない。

 舞台はモントリオール郊外の小島にあるリゾート・マンション。
 小娘の首を絞めて殺害し、パンツ一丁になってその腹部を切開して、はらわたに硫酸を注ぎ込むおっさん。そして、自らもメスで喉をかき切る.....。
 このオープニングにブッとんだ人が多いと聞く。
 このパンツ一丁のオヤジ、実は生物学の権威で、内臓に代わって機能してくれる寄生虫を研究しており、教え子を使って人体実験した。ところが、これが寄生するとリビドーが異常に上昇し、おまんこ気狂いになってしまう。で、マンション中の男どもを喰いまくっていたのを見るに見かねて、彼女を殺して、自決したのである(註1)。
 しかし、かの寄生虫はおまんこ相手全員に感染していた。かくして理性を失って娘であろうが息子であろうが手当たり次第に犯しまくるおまんこゾンビ(正確には死んでないのでゾンビではないが、その行動はほとんどゾンビ状態)が蔓延し、この小島を征服するのであった。

 凄まじい奇想である。こんなヘンテコな話を思いつくのはクローネンバーグぐらいであろう。

註1 このおっさんの真の目的は「寄生虫による性の解放」であったことが中盤で明らかになる。どうやら解放され過ぎてしまったので、反省して自殺したようである。アホ。


↑まずこのシーンに誰もが驚く。


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