ピーター・サトクリフ |
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1975年から80年にかけて英国を震え上らせた連続殺人犯、ピーター・サトクリフの物語はひどく退屈だ。面白いのはその動機のみである。 |
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◆第4の殺人 |
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読者諸君も、語りベである小生も退屈してきたちょうどこの頃、事件は新たな展開を見せていた。1978年3月、ウエスト・ヨークシャー警察と『デイリー・ミラー』紙のマンチェスター支局に「自称犯人」が手紙を送りつけたのである。「ジャック・ザ・リッパー」と名乗る手紙の主は辛辣な口調で捜査当局をあざ笑った。当時はまだ遺体が発見されていなかったイヴォンヌ・ピアソンについては触れていないことからイタズラであることは明白だが、警察はこの手紙の主にまんまと騙され、手酷い目に遭うことになる。 |
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サトクリフの逮捕は全くの偶然だった。1981年1月2日、シェフィールドの2人の巡査が売春婦が客引きするのを目撃した。イングランドでは売春そのものは違法ではないが、客引き行為は違法なのだ。巡査たちは早速、その売春婦と彼女が乗り込んだ茶色いローバーの運転手を尋問した。 |
参考文献 |
『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社) |