評価 ★★

ザ・ショック
BEYOND THE DOOR II

伊 1976年 93分
製作 テューリ・ヴァーシル
監督 マリオ・バーヴァ
脚本 ランベルト・バーヴァ
出演 ダリア・ニコロディ
   ジョン・スタイナー
   デヴィッド・コリン・Jr.
   アイヴァン・ラシモフ


 全編コケ脅しばかりのへなちょこショッカー。これがマリオ・バーヴァの遺作かと思うと悲しくなる。しかし、まあ、不肖の息子ランベルトが脚本だから仕方ないか。親馬鹿映画ということで納得することにしよう(註1)。

 内容は、一言で云えば『サスペリア2』+『オーメン』。父を母に殺された少年に父の霊が乗り移り、母にシャレにならない嫌がらせをする。ピアノにカミソリを忍ばせる。母の下着を切り刻む。罪を咎められると嘘泣きをする等々。そのたびに観客はイヤ〜な思いをさせられるばかりである。

 但し、たった1ケ所だけ素晴らしいショットがある。お母さん、ごめんなさい、と少年が母に抱きつこうとして、廊下の向こうからかけてくる。母は両手を広げて少年を向かい入れると、母の手前で少年は亡霊の父に変身するのだ。特撮によらないこのシーン、要するに女優の前に男優がしゃがんでいて、少年がかけてくると立ち上がるだけなのだが、カメラ・アングルが奏功して、素晴らしい効果を生み出している。撮影出身のバーヴァの面目躍如といったところだろう。私としては、このショットだけで100点満点である。

註1 バーヴァは絵コンテを描いただけで、現場で演出したのは息子だったらしい。


↑これがその素晴らしいショット。


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